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社労士は独学で合格できる?合格体験記をご紹介

社労士は独学で合格できる?合格体験記をご紹介

社労士試験を独学で勉強するのか、社労士の通信講座を利用するのかで迷いますよね。

今回は、独学で社労士試験に挑む際のポイントを解説し、実際に独学で合格した方の体験談も併せてご紹介します。

ぜひ参考にしてください。

目次

社労士を独学で合格するのは難しい

社労士試験の独学は難しい

一般的に、社労士試験は独学で合格するのは難しく通信講座の利用が勧められています。難関資格ほど独学での合格は難しいのが現実です。しかし、独学で社労士試験に合格する人も一定数います。

  • 社労士の実際の難易度と合格率
  • 社会人受験生が多く勉強時間の確保が難しい
  • 試験範囲が広く独学で勉強しにくい
  • 最新の法改正への対応が難しい
  • 独学で合格する人の特徴は法律の学習経験者
  • 独学に行き詰ったら通信講座・予備校を活用する

独学で社労士試験の勉強をする際のポイントを見ていきましょう。

社労士の実際の難易度と合格率

社会保険労務士試験は、法律系国家資格の中でも特に難易度が高いとされています。社労士試験の合格率は年によって異なりますが、一般的には約5~7%です。

おおよそ20人に1人の割合で合格するという非常に狭き門です。また、5~7%の合格率は実際に試験を受けた人の中での割合であり、勉強を始めても難易度の高さに挫折してしまう人も少なくありません。真剣に取り組んだ受験生の中で20人に1人しか合格できないことを考えると、その難易度の高さが伺えます。

さらに、社労士試験に合格するためには、平均して3~4回の受験が必要とされています。難易度の高さゆえに受験回数が多いのも特徴です。

他の資格と比較すると、宅地建物取引士(宅建)や行政書士といった資格よりも難しく、司法書士よりはやや易しいとされています。同程度の資格としては、中小企業診断士が挙げられます。社労士試験は独学での合格は容易ではなく、しっかりとした準備と勉強が必要であると言えるでしょう。

社会人受験生が多く勉強時間の確保が難しい

社労士試験は、30代や40代の会社員の受験者が多いという特徴があります。会社員の受験生は、日々の仕事に加えて資格試験の勉強を進めなければならないため、勉強時間の確保が非常に難しいといえるでしょう。

社会人受験生にとって、特に難しい点は、社労士試験の合格に必要とされるおよそ1000時間の学習時間をどのように確保するかという問題です。多忙な業務の中で、勉強時間を捻出するのは非常に難しいでしょう。また、仕事と勉強の両立を図るためには、限られた時間をいかに効率的に勉強ができるかが重要となります。

独学で社労士試験に臨む場合、学習スケジュールの管理と効率的な勉強方法を見つけることが大切です。自己管理能力だけでなく、仕事と勉強のバランスを適切に取るための時間管理も行う必要があります。

社会人受験生にとって、限られた時間で難関試験に合格することは、簡単ではなく多くの努力と工夫が必要となります。

試験範囲が広く独学で勉強しにくい

社労士試験の範囲は広く科目数も多いため、独学で合格するのは難しいのが現状です。試験科目は、計8科目あります。それぞれの科目は実務に直結した重要な内容を含んでおり、難解な部分も少なくありません。

  • 労働基準法及び労働安全衛生法
  • 労働者災害補償保険法(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。)
  • 雇用保険法(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。)
  • 労務管理その他の労働に関する一般常識
  • 社会保険に関する一般常識
  • 健康保険法
  • 厚生年金保険法
  • 国民年金法

社労士試験では、頻出の分野がある一方で、あまり問われない分野もあります。そのため、受験生は科目ごとに優先順位をつけ、効率的に勉強を進めなければなりません。独学で勉強する場合、膨大な試験範囲から重要なポイントを見極めて自らのスケジュールを立てていかなければなりません。

しかし、独学では、どの科目にどれだけの時間を割くべきかの判断が難しく、不必要に時間を費やしてしまうこともあります。結果として、多くの時間を勉強に費やしていても合格点に達しないことがあります。独学での勉強は、試験の範囲や出題傾向を自分で考えて理解することがポイントです。

最新の法改正への対応が難しい

社労士試験の独学における難しい点の一つは、頻繁な法改正への対応です。社労士試験の科目は他の法律分野と比べてよく改正されるため、最新の法律情報を常に把握する必要があります。市販の法改正テキストを使っての学習はできますが、アウトプットの練習が不足しがちになります。

しかし、通信講座や予備校を利用することで、法改正に特化した講座を受け、法改正の背景や知識を体系的に学び、問題演習も十分できます。法改正問題の対応については独学の場合、難しいといった側面があります。

独学で合格する人の特徴は法律の学習経験者

社労士試験は通信講座や予備校を利用するのが一般的ですが、独学で合格する人も一定数います。独学で合格する人の共通点は、法律の学習経験があることです。例えば、司法書士試験のような他の法律資格を持っている人が、学習経験を活かして社労士試験にも合格することがあります。

さらに、法学部出身の難関大学卒業生や、会社での法務業務、特に人事や助成金などに関連する仕事を経験している人も独学で合格することがあります。法律に関する基礎知識や実務経験を既に持っていると、独学であっても勉強がしやすく合格に近づきやすいといえます。

一方で、法律の基礎知識が全くない初心者がゼロから独学で社労士試験に合格するのは、非常に難しいと言えます。それでも、勉強に対して自信があり、効率的な学習方法を見つけることができれば、独学でも合格する可能性はあるといえるでしょう。

独学に行き詰ったら通信講座・予備校を活用する

まずは、独学で社労士試験の勉強を始めたいと考える人も多いでしょう。独学の魅力は、市販のテキスト代のみで勉強をスタートできるコストの低さにあります。初期段階で、基礎知識を学び全体像を把握するには独学はおすすめです。しかし、社労士試験の難易度は高く、独りで勉強していると学習に行き詰まることも少なくありません。たとえ、多くの時間を勉強に費やしても、合格点に届かないケースは珍しくありません。状況に応じて、通信講座や予備校を利用することも考慮に入れると良いでしょう。

通信講座や予備校は、苦手な科目に特化した講座やアウトプットに焦点を当てた講座を選ぶことができます。また、理解を深めたい場合は動画講義のみのコースがおすすめです。例えば、スタディング社労士講座では動画講義のみのコースを4万円台で受講できます。独学に限界を感じたときは、通信講座や予備校を活用して、学習効果の高い勉強をしていきましょう。

独学で社労士の合格を目指す人の勉強方法とスケジュール

社労士を独学で合格するコツ

社労士試験のような難関資格を独学で合格するためには「最適な学習計画」「自分に合ったテキスト選び」が重要です。まず、学習を始める前に、自身のライフスタイルに合わせて「毎日、どのくらいの時間を勉強に割り当てることができるか」を決めて、それに基づいて具体的な学習計画を立てましょう。どの科目をいつまでに終えるか、どの時点でどれくらいの得点を目指すかなど、明確な目標を定めます。

また、学習計画を立てる際には、独学で合格した人の体験談も参考にしましょう。合格者の成功例から学び、自分の計画に活かします。必要に応じて通信講座や予備校の利用も検討しましょう。

また、テキスト選びも独学の成功には欠かせません。市販されているテキストはいくつかあります。自分に合ったものを選ぶためには、書店でじっくりと内容を確認して比較検討しましょう。

最短半年で目指す合格スケジュール

社労士試験の合格には、一般的に約1000時間の勉強が必要とされています。最短半年での合格を目指す場合、180日間で毎日約5~6時間の勉強が必要です。特に社会人が仕事を続けながらこの量の勉強を行うのは非常に難しいでしょう。専業で勉強に専念している人であれば、現実的な勉強時間といえます。

短期合格をする上で重要なことは、インプットを早めに終えてアウトプットにより多くの時間を割くことです。社労士試験では、広く浅い知識を持つことが、合格点を超えるために大切です。問題によっては、完全な理解がなくても得点できる場合があります。最短で合格を目指す際には、完璧を求めるのではなく、効率的に得点を上げる方法を追求しましょう。効率的に学習を進めることで、短期間での合格が目指せるでしょう。

社労士の独学におすすめのテキスト

独学に適したテキスト選びは重要です。市販されているテキストの種類はそれほど多くありませんが、いくつかの有名なシリーズがあります。例えば「みんなが欲しかったシリーズ」「合格のトリセツ」などは、特に人気があります。TACやLECなどの法律国家資格対策で知られる予備校の出版社によって作成されているため、内容のクオリティは高いといえます。

テキストを選ぶ際には、デザインや解説文のスタイルなどが自分に合っているかどうかをチェックしましょう。実際に本屋でテキストを手に取り、内容を確認しておきましょう。

社労士の合格体験記!独学で合格

社労士の合格体験記

合格者の実際の声を聞くことで、勉強のポイントを知ることができます。また、勉強に行き詰まった時のモチベーションアップや勉強の息抜きとしても活用できます。

  • 司法書士試験の受験経験を活かして合格
  • 社労士業務の実務経験が勉強に活きました
  • 3回目の受験!専業主婦が独学で合格

今回は、3名の合格体験記をご紹介します。

司法書士試験の受験経験を活かして合格

司法書士試験に合格した後、業務の幅を広げるために社会保険労務士の受験を決めました。初めは、実務の内容や試験科目が司法書士試験と全く異なるため、過去の学習経験が直接役立つか不安でした。しかし、司法書士試験で培った「暗記の方法」を社労士試験に応用することで、スムーズに勉強を進めることができました。

特に、独学での勉強は大変でしたが、テキスト代のみで済むことに加えて、数年かけてじっくりと学ぶことを前提にしていたので、過度にプレッシャーを感じることなく勉強できました。社労士試験は一般的に司法書士試験よりも簡単と言われていますが、個人的には難易度は同じくらいで、相当な努力が必要でした。司法書士試験での経験が大きなプラスとなり、結果として合格できました。

司法書士のような難関資格に合格できる人は、自分なりの勉強のテクニックを持っています。難関資格の合格者だけでなく難関大学出身の方や勉強が得意な人は、独学でも合格が目指せます。

社労士業務の実務経験が勉強に活きました

私は以前から社労士事務所で労働保険や社会保険の手続きに関する業務を担当していました。しかし、社労士の資格は持っていませんでした。そこで独立を視野に入れ、資格取得を目指すことに決めました。法律系の資格は未経験で、難関の資格を持っていなかったため、最初は自分が合格できるか不安でした。しかし、社労士業務での実務経験が勉強の大きな助けとなりました。

通信講座を利用するかを迷いましたが、独学でも十分勉強できると感じ、独学を続けました。社労士試験は、実務と密接に関連しているため、実務での経験は試験で非常に役立ちます。実際に手続きを行った経験があることで、試験問題の背景や目的を理解しやすく、効率的に勉強できました。実務経験を持つ人は、社労士試験で有利に働くと思います。

社労士試験は勉強内容と実務が関連しています。社労士業務の実務経験がある人は、独学で勉強してみるのもいいかもしれません。難しそうであれば、通信講座や予備校の利用も検討してみましょう。

3回目の受験!専業主婦が独学で合格

私は専業主婦をしていて、何か資格を取ろうと考えていました。すでにいくつか簡単な資格は取得していましたが、今回は将来的に仕事に活かせるような難しい法律資格の取得を目指すことにしました。社労士を目指して独学の勉強をしていたのですが、最初の2回の受験では残念ながら不合格でした。

3回目の受験にあたり、何かを変える必要があると感じていましたが、独学での勉強方法は続けることにし「もし今年もダメなら予備校に通おう」と決意しました。そして3回目の受験で、幸運にも独学で合格できました。独学での勉強でも諦めずに続けること、そして自分なりの学習方法を見つけることで合格できると思います。

社労士試験は、独学であっても時間をかけてしっかりと勉強すれば合格は目指せます。最初は独学でチャレンジし、もし合格できなかった場合に通信講座や予備校を利用するなど、状況に応じて学習方法を変えるのも良いでしょう。

社労士の独学のメリットとデメリット

独学を選ぶかどうかは、メリットとデメリットを踏まえて判断しましょう。独学で始めた後に通信講座や予備校へ切り替えることもできるため、最初は気軽に始められる独学が良いかもしれません。

独学のメリット

社労士の独学のメリット

独学は手軽に始めやすく、費用も低いため最初の選択肢として選ばれやすいです。

  • 資格取得までにかかる費用が抑えられる
  • 市販のテキストを吟味して選べる

独学のメリットについて詳しく見ていきましょう。

資格取得までにかかる費用が抑えられる

社労士試験を独学で勉強する大きなメリットは受験費用を大幅に抑えられることです。独学に必要な費用は「市販のテキスト」「問題集」「模擬試験の受験料」です。合計金額は約2万円程度です。加えて、社労士試験の受験料が15,000円のため、一発合格すれば総額は約35,000円となります。

これに対して、通信講座や予備校を利用する場合、受講料だけで10万円から20万円程度かかります。通信講座や予備校を利用するのと比べると独学での勉強がいかに安いかが分かるでしょう。

市販のテキストを吟味して選べる

独学での勉強は、市販のテキストを使用します。本屋に足を運べば、購入前にテキストの内容を全て確認できます。内容をじっくりと吟味することができるため、自分の学習スタイルや理解のしやすさに合わせてテキストを選ぶことができます。

一方、通信講座や予備校を利用する場合、申し込みをするまで教材の内容の全てを確認することができません。サンプルや一部の内容は提供されることがありますが、あくまで一部分にしか過ぎません。実際に使ってみてから「使いにくい」と感じることもあります。しかし、独学ではこのような不安を抱えることなく、自分自身で納得したテキストを選んで勉強ができます。

独学のデメリット

社労士の独学のデメリット

独学には、学習効率の悪さと勉強時間が長くなるデメリットがあります。

  • 動画講義で学べないため学習効率が悪くなる
  • 一発合格できないと勉強時間が長くなり受験費用も高くなる

デメリットも踏まえて独学で勉強していくのかを判断しましょう。

動画講義で学べないため学習効率が悪くなる

独学のデメリットの一つとして、動画講義を利用できないことによる学習効率の低下が挙げられます。一般的に、テキストでの勉強よりも、動画を通じて視覚的に学んだ方が記憶に残りやすいと言われています。視覚と聴覚を同時に刺激することで、より深い理解と記憶の定着が促されるためです。

社労士試験の内容は難しく、多くの細かい数値などを暗記しなければなりません。動画講義における「講師による分かりやすい解説」や「実務を踏まえた法律の背景の説明」などは理解と暗記の定着率を助けてくれます。一方で、独学では主にテキストを用いた勉強のため、動画講義のメリットを享受できません。

一発合格できないと勉強時間が長くなり受験費用も高くなる

独学での勉強は、受験費用を抑えることができるメリットがありますが、これは一発合格できた場合に限ります。通信講座や予備校を利用する場合に比べて、独学の合格率は一般的に低いと言われています。一回の試験で合格できなければ、新しいテキストを購入する必要が出てきたり、勉強期間が長引くことで全体の受験費用が増えてしまいます。

特に、独学の後に通信講座や予備校へ切り替えると、最初に市販のテキストを購入した費用が無駄になることもあります。独学での勉強は初期費用は安いものの、合格に至るまでの総費用や労力を考慮すると、通信講座や予備校を最初から利用する方が安上がりになることもあります。一発合格が難しい試験では、長期的な視点でコスパを見極めることが大切です。

社労士試験の独学に関するよくある質問と回答

最後に、社労士試験の独学に関するよくある質問と回答をご紹介します。

  • 社労士試験を独学で勉強する人の割合は?
  • 社労士試験に合格するには独学で何ヶ月かかりますか?

それぞれ詳しく見ていきましょう。

社労士試験を独学で勉強する人の割合は?

社会保険労務士試験を独学で勉強する人の正確な割合は分かりませんが、多くの合格者は通信講座や予備校を利用しているとされています。例えば、令和5年度の社労士試験の合格者数は2,720人であり、その中でTAC本科生の合格者数が303名です。一つの予備校が合格者の約10%以上を占めており、予備校を利用する受験生の割合が高いことが伺えます。

また、最初は独学で勉強を始め、途中で通信講座や予備校に切り替える受験生もいます。特に受講料の高さが不安な受験生は、初めは独学から始めることが多いようです。

社労士試験に合格するには独学で何ヶ月かかりますか?

社労士試験を独学で合格するには、一般的に約1年の勉強期間を想定しておきましょう。特に社会人にとって、毎日継続して勉強するのは一般的に難しいですが、効率的に時間を確保し十分な期間の勉強ができれば、最短で半年での合格も目指せます。自信を持って十分な勉強時間を取れる人は、短期合格を目指してチャレンジするのも良いでしょう。

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